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住宅ローンが残っていても売れるか?仕組みと安全に売却する手順を解説

不動産売却ノウハウブログ

木下 純也

筆者 木下 純也

不動産キャリア36年

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住宅ローンが残っている状態で家を売っても大丈夫なのか。
この不安から、売却の検討を先延ばしにしている人は少なくありません。
しかし、住宅ローン返済中のマイホームでも、条件を整理し資金計画を立てれば、売却自体は十分に可能です。
大切なのは、今のローン残高や金利、返済条件を正しく把握し、売却代金でどこまで完済できるのかを冷静に確認することです。
さらに、もし売却代金より残債が多い場合でも、自己資金の活用や金融機関との相談など、検討できる選択肢はいくつかあります。
このコラムでは、住宅ローンが残っていても売れるかという疑問に、基本の仕組みから具体的な計算方法、残債が多いときの対処法、住み替え時のポイントまで、順を追って分かりやすく解説します。
まずは全体の流れを知ることで、自分にとって無理のない売却のイメージをつかんでいきましょう。

住宅ローンが残っていても家は売れる?基本解説

住宅ローンが残っている不動産でも、一定の条件を満たせば売却することは可能です。
多くの場合、売却代金を使って住宅ローンを一括返済し、同時に抵当権を抹消する形で取引が行われます。
実務上は、決済日に買主から受け取る代金を金融機関への返済に充て、司法書士が所有権移転登記と抵当権抹消登記を同時に手続きします。
そのため、残債と売却価格、諸費用の関係を事前に整理しておくことがとても重要になります。

住宅ローンを利用すると、通常は金融機関や保証会社が不動産に抵当権を設定し、ローンの担保とします。
抵当権が残っている状態でも売買契約自体は可能ですが、抵当権者は担保不動産から優先的に返済を受ける権利を持つため、買主の安全を確保するには抵当権を抹消したうえで所有権を移転することが前提になります。
そのため、不動産の引き渡し時点までにローン残債を完済し、抵当権抹消登記が行えるように資金計画を立てる必要があります。
万一、残債が完済できず抵当権が残ったままでは、買主が将来所有権を失うおそれがあり、通常の売買は成立しにくくなります。

住宅ローン返済中の不動産を売却する際には、まず現在のローン残高を正確に把握することが出発点になります。
残高証明書や金融機関の残高照会を確認し、繰上返済に伴う手数料の有無も併せて確認しておくと安心です。
また、金利タイプが固定か変動か、返済期間がどの程度残っているかにより、売却時期や繰上返済の負担感が変わるため、こうした条件を一覧にして整理しておくと判断しやすくなります。
さらに、売却代金で完済できない可能性がある場合には、早めに金融機関へ相談し、任意売却などの選択肢について情報収集しておくことも大切です。

確認項目 主な内容 売却への影響
住宅ローン残高 元金残高と繰上返済手数料 完済可否の判断材料
返済条件 毎月返済額と残り返済期間 売却時期や資金計画に影響
金利タイプ 固定金利か変動金利か 将来負担と売却判断材料

売却代金で住宅ローン残債を完済するための具体的な計算方法

まず、住宅ローン残債を売却代金で完済できるかどうかは、「売却予定価格から諸費用を差し引いた金額」と「住宅ローン残高」を比較することが基本です。
売却予定価格は、周辺の取引事例や不動産市場の動きにより変動するため、査定を受けた上で複数の金額パターンを想定しておくと安心です。
一方で、住宅ローン残高は金融機関から取り寄せる残高証明などにより、時点をそろえて正確に把握することが大切です。
このように、売却価格と残高、諸費用を同じ条件で並べて計算することで、「完済ライン」の目安が見えてきます。

次に、売却時にかかる主な費用として、仲介手数料、登記関係費用、住宅ローンの繰上返済に伴う手数料や保証料精算などが挙げられます。
仲介手数料の上限は、宅地建物取引業法に基づき「売買価格×3%+6万円」に消費税を加えた金額が一般的な目安とされています。
登記費用は、司法書士報酬と登録免許税からなり、抵当権抹消登記や所有権移転登記の有無によって合計額が変わります。
さらに、売却益が出る場合には譲渡所得税や住民税が発生する可能性があるため、国税庁の情報などを参考に、特例の適用条件も含めて早めに概算を確認しておくことが重要です。

完済の可否を事前にシミュレーションする際は、まず金融機関からローン残高と繰上返済手数料の有無を記載した資料を取り寄せることから始めます。
続いて、固定金利か変動金利かといった金利タイプや返済期間の残り年数も確認し、売却時期による残高の変化も意識しておくと、資金計画が立てやすくなります。
その上で、売却予定価格の想定パターンごとに「売却予定価格−諸費用合計−ローン残高」の計算を行い、赤字か黒字かを一覧で比較すると判断しやすくなります。
このような準備をしておくことで、実際に売却活動を始める前から、完済ラインを具体的な数字で把握できるようになります。

確認すべき金額 主な内容 把握の目的
売却予定価格 査定結果の想定額 完済可能性の出発点
住宅ローン残高 残高証明等の金額 完済ラインの基準額
諸費用合計額 仲介手数料等の総額 手取り金額の算出根拠

住宅ローン残債が売却代金より多い場合の主な選択肢

まず、売却代金より住宅ローン残債が多い場合でも、自己資金や親族からの一時的な援助で不足分を補えば売却は可能です。
ただし、不足額が大きいと生活資金を圧迫し、今後の家計に無理が生じるおそれがあります。
そのため、預貯金や他の借入状況を整理し、売却後の家計収支まで含めて慎重に検討することが大切です。
親族からの援助を受ける際には、贈与にあたるかどうかや返済条件など、お金の性質を明確にしておく必要があります。

次に、自己資金で不足分を用意できない場合は、金融機関と相談し、売却後も残った債務を分割で返済し続ける方法があります。
また、住宅ローンの返済継続が特に困難なケースでは、金融機関等の合意を得て行う任意売却という手続きが選択肢となります。
任意売却は、競売よりも高い価格で売却できる可能性があり、その結果として残債務の縮減が期待できるとされています。
いずれの方法でも、残債務の返済条件は金融機関との協議で決まるため、現在の収入や支出の状況を具体的に伝え、無理のない返済計画を一緒に検討してもらうことが重要です。

さらに、返済に不安を感じた時点で早めに相談することが、選択肢を広く保つうえで非常に重要です。
住宅金融支援機構では、返済が困難になった利用者に対し、返済負担の軽減や任意売却に関する案内などの支援を行っています。
また、金融庁や自治体、厚生労働省が紹介する各種相談窓口では、家計全体の問題として住宅ローンを含めた債務整理や生活再建についての助言を受けることができます。
返済の滞納が進み競売手続きに入る前の段階で相談すれば、任意売却を含め、より柔軟な対応を選べる可能性が高まります。

選択肢 主な内容 注意点
自己資金等で不足補填 預貯金や親族援助で残債充当 生活費圧迫や贈与税の確認
売却後も分割返済 売却後残債を金融機関へ返済 収入に見合う返済条件の交渉
任意売却の活用 金融機関合意のもと市場売却 早期相談と手続き期間の把握
公的相談窓口の利用 家計全体の再建方法の相談 滞納が進む前の早期相談

住み替えで住宅ローンが残っていても売れるか検討する際の基本ポイント

住み替えを検討する際には、現在の住まいの売却と新居の購入の順番をどうするかが重要になります。
一般的に「売却先行」は資金計画を立てやすく、「購入先行」は住み替え時の仮住まいを避けやすいという特徴があります。
それぞれの方法で、手元資金の状況や住宅ローン残高への影響が異なるため、自分の家計に合った順番を選ぶことが大切です。
まずは、どちらの方法が自分にとってリスクを抑えやすいかを整理して考える必要があります。

売却先行の場合は、先に現在の住まいを売却してから新居を探すため、手元に戻る資金額を把握しやすいメリットがあります。
一方で、売却後に新居がすぐに見つからない場合は、一時的に仮住まい費用や引越し費用が二重に発生する可能性があります。
購入先行の場合は、住環境を変えずに落ち着いて新居探しができますが、短期間で住宅ローンが二重になるなど資金負担が重くなるおそれがあります。
このように、住み替えの順番によって、心理的な安心感と資金面の負担のバランスが変わることを意識しておくことが重要です。

既存の住宅ローンが残ったまま新居を購入する方法として、金融機関が取り扱う住み替え向けの商品が用意されている場合があります。
これらは、現在の住宅ローンと新居購入資金を一体的に借り入れ、一定期間は売却前の自宅分も含めて返済していく仕組みが一般的です。
ただし、借入総額が大きくなり審査も厳しくなるため、返済負担率や勤続年数などの条件を満たす必要があります。
また、売却の予定価格が下振れした場合のリスクについても、事前に十分に試算し、無理のない返済計画を立てることが欠かせません。

住み替え方法 主なメリット 主なデメリット
売却先行 資金計画立てやすい 仮住まい発生リスク
購入先行 住環境変えず探せる 一時的な資金負担増
住み替えローン活用 売却前購入を後押し 借入総額増と審査厳格

無理のない住み替え判断を行うためには、今後の収入と支出、家族構成の変化などを具体的に見通すことが重要です。
将来の教育費や老後資金、転職や独立の予定なども含めて、どの程度まで住宅費に充てられるかを冷静に試算する必要があります。
また、金利上昇や修繕費の増加といった変動要因も考慮し、余裕を持った返済比率にとどめることが安心につながります。
住宅ローンが残っていても売れるかどうかだけでなく、住み替え後の生活全体が持続可能かどうかを総合的に判断することが大切です。

まとめ

住宅ローンが残っていても、多くの場合は売却が可能です。
重要なのは、残債、売却予想価格、諸費用を整理し「完済できるか」を早めに試算することです。
完済が難しい場合でも、自己資金の追加や金融機関との調整など、取れる選択肢はいくつかあります。
住み替えを検討している方は、今後の収入やライフプランも含めて、無理のない計画を立てることが大切です。
当社では、住宅ローン返済中の売却や住み替えの資金計画を丁寧にシミュレーションし、お客様に合った進め方をご提案します。
「うちのケースでも売れるのか知りたい」という段階でも構いませんので、まずはお気軽にご相談ください。

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