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収益不動産の売却はどんな流れなのか?手順や注意点をキーワードで解説

収益不動産の売却

木下 純也

筆者 木下 純也

不動産キャリア36年

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収益不動産の売却を考え始めたものの、「何から始めて、どんな手順で進めればよいのか分からない」と悩む方は多くいらっしゃいます。売却には事前準備から契約、手続き、税金の知識まで、様々な流れがあります。この記事では、収益不動産売却の全体像から具体的なステップ、必要な書類、そして気になる費用や税金、売却後の注意点まで、分かりやすく解説します。大切な資産を納得して手放すために、正しい知識を身につけていきましょう。

収益不動産売却の全体的な流れを把握する

収益不動産の売却を検討される際、まず全体の流れをつかむことが大切です。最初に行うのは査定依頼です。売りたい不動産がどれくらいの価格で取引される可能性があるのか、専門家に判断してもらうことで、売却活動の方向性が定まります。査定後、売却方法として「仲介」または「買取」のどちらを選ぶかを決めます。

「仲介」は、不動産会社を通して購入希望者を探し出し、相場に近い価格での売却をめざす方法です。個人の買主に販売するため、高値での成約が期待できますが、売却までに数ヶ月かかることが一般的です。実際には3ヶ月〜6ヶ月かかるケースが多く、仲介手数料も発生します。仲介手数料は、売却価格×3%+6万円が上限(課税対象)となります 。

一方「買取」は、不動産会社が直接不動産を買い取る方法で、売却までの期間が短く、査定後から1週間~1ヶ月程度で完了するケースもあります。内見対応や広告掲載といった売却活動の負担もなく、仲介手数料が不要で手続きも比較的簡単です。ただし、売却価格は相場より低め、目安として相場の70~90%程度になることが多いです 。

収益不動産の売却においては、売却価格・スピード・手間のバランスを踏まえ、ご自身の状況に応じた売却方法を選ぶことが成功の鍵となります。

項目仲介買取
売却期間数ヶ月(目安:3~6ヶ月)短期間(目安:1週間~1ヶ月)
売却価格相場に近い価格相場の70~90%程度
手間・負担広告掲載や内覧対応が必要売主の対応は少なく済む

次に、媒介契約と必要書類についても見ていきましょう。

具体的な売却ステップを順に確認する

収益不動産の売却にあたっては、以下のような順序で進めるのが一般的です。

まず、査定を依頼し、物件の価格を把握します。その後、媒介契約を結び、実際の販売活動に移ります。購入希望者から申し込みが入ったら、売買契約を締結し、手付金を受け取り、その後、決済・引き渡しへと進みます。売買契約から引き渡しまでは、手続きや調整も多いため、売却の完了までには数か月かかることが多いです。多くのケースで、販売活動から引き渡しまでは、1〜4か月程度が目安となります。

次に、売買契約締結から決済・引き渡しまでの具体的な流れを見ていきます。売買契約時にはまず手付金を受け取り、残金は引き渡し時に一括で受け取るのが一般的です。実際の入金は契約当日〜数日以内に銀行へ振り込まれます。売却後は譲渡所得が発生した場合、翌年の2月16日〜3月15日までに確定申告が必要です。

最後に、全体の売却スケジュールの目安と、タイミングのポイントを押さえておきましょう。全体の売却期間は最短で1か月ほど、標準では3〜6か月程度かかることが多く、スケジュールに余裕をもって進めるのが大切です。

以下に、これらの流れをわかりやすくまとめた表をご用意しました。

ステップ 主な内容 目安期間
査定 → 媒介契約 → 販売活動 価格判断、契約締結、広告や問い合わせ対応 数週間
売買契約 → 手付金 → 引き渡し・決済 手付受領、残代金の受領、引き渡し準備 1〜2か月
売却代金の受け取り → 確定申告準備 入金確認、税務処理と申告 翌年2〜3月

以上のように、査定依頼から引き渡し完了、さらには税務処理までを見据えたスケジュールを組むことが、収益不動産の売却をスムーズに進める鍵となります。

売却に伴う諸費用や税金をしっかり把握しましょう

収益不動産を売却するときは、さまざまな費用や税金が発生します。ここでは、売却時に必ず押さえておきたい主な項目とポイントを、分かりやすく整理します。

項目 内容 目安金額
仲介手数料 売却価格に応じた上限額。売買契約成立時および引渡し時に分けて支払うことが多いです。 (売却額 × 3%+6万円)+消費税(税込)
印紙税 売買契約書に貼る収入印紙代。2027年3月まで軽減税率が適用されます。 売買額に応じて数千円~数万円
抵当権抹消登記費用 登録免許税(1物件あたり1,000円)+司法書士への代行手数料がかかります。 登録免許税:1,000円/件、司法書士:1万~2万円程度
譲渡所得税(所得税・住民税含む) 売却益に対して課税。所有期間により税率が変わります。 短期:39.63%、長期:20.315%

まず「仲介手数料」ですが、収益不動産の売却でも、宅地建物取引業法に基づき上限が定められています。一般的には売却金額が高額になりやすいため、上限いっぱいが請求されることが多いです。支払いは売買契約成立時と引渡し時に分けて行われることが一般的です。消費税も必要になりますので、注意が必要です。

次に「印紙税」は、売買契約書に貼る収入印紙にかかる税金です。売買金額に応じて定められ、2027年3月31日までは軽減税率が適用されますので、通常より少なく済む場合があります。

「抵当権抹消登記費用」は、住宅ローン等の抵当権を抹消する際に必要です。登録免許税として1物件あたり1,000円がかかります。司法書士に依頼すると、さらに1万〜2万円程度の報酬が必要になることが一般的です。

最後に「譲渡所得税」(所得税・住民税を含む)は、売却によって得られた利益に課されます。所有期間が5年以下の場合は「短期譲渡所得」となり税率は約39.63%です。5年を超える長期譲渡所得の場合は約20.315%の税率となります。収益不動産は投資用であることが多いため、特例の対象外となるケースがありますので注意が必要です。

以上が、収益不動産を売却する際に押さえておきたい主な諸費用と税金です。特に仲介手数料や譲渡所得税は金額が大きくなりがちですので、売却前にしっかりと見通しを立てておきましょう。

収益不動産売却後の手続きと注意点を押さえる

収益不動産を売却した後も、諸手続きや税務対応をきちんとおこなわなければ、後々のトラブルや申告漏れのリスクが高まりかねません。ここでは、売却後に必要となる確定申告や登記手続きなどの流れと、漏れを防ぐためのチェックポイントについて、順を追ってわかりやすくご紹介いたします。

まず、売却した物件で利益が出た場合は、翌年の「確定申告」が必要です。確定申告は毎年2月16日から3月15日が申告期間で、不動産を引き渡した翌年にあたるこの期間中に手続きをおこなう必要があります 。具体的な手順としては、譲渡所得の内訳書の作成、確定申告書(書式B、第三表など)の記入、必要書類の添付を経て、税務署への提出(窓口・郵送・e‑Tax)となります 。必要な書類としては、売却時および取得時の売買契約書、領収書、登記事項証明書などが求められます 。

次に、売却後の登記手続きについてです。物件の所有権が移転したことを公的に記録するために、登記簿の変更(所有権移転登記)が必要です。多くの場合、司法書士に依頼し、決済・引き渡しと同時進行で登記申請がなされます。登記手続きは数日から1~2週間程度で完了するのが一般的です 。

最後に、手続き漏れを防ぐためのポイントを表にまとめました。ご覧のように主要な手続きとその期限、注意点を整理しておくことで、抜け漏れを未然に防ぎやすくなります。

手続き項目期限・時期注意点
確定申告売却の翌年 2/16~3/15取得費や譲渡費用の資料をもれなく準備
登記変更決済・引き渡し時または前後司法書士に依頼し、所有権の名義変更を確実に
書類保管確定申告後も継続的に契約書や領収書などは一定期間保存すること

このように、売却後にも確定申告や登記など欠かせない手続きがいくつかございます。しっかり確認して、安心して売却を終えていただければと存じます。

まとめ

収益不動産の売却は、流れを理解し計画的に進めることが非常に大切です。適切な準備や手続きを押さえておくことで、スムーズな取引が実現できます。売却にあたっては、査定依頼から契約、決済までを順序だてて確認し、必要な費用や税金についても事前に理解しておきましょう。また、売却後の確定申告や登記などの手続きも忘れずに対応することで、安心して取引を終えることができます。初めての方も、基本の流れを知ることで納得できる売却を目指せます。

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